よくある現状・現実
経営者や人事部門において、次の社長・経営幹部を生み出すリーダーシップ開発へのニーズが高まっています。例えば、下記のような声がよく聞かれます。
- サクセッションプランを通じて経営者・取締役候補を育成したい
- 担当部門だけではなく、社会や全社的な視野を持つ人材に育って欲しい
- 自分の志や想いをもっと語りかけるような取り組みを実践して欲しい
- 未来を語ることで社員のモチベーションに働きかけるようになって欲しい
- 会社のパーパス(存在意義)などWhyを語れるリーダーとなって欲しい
リーダーシップ開発の取り組みにおいては、慣れ親しんだ思考や行動を見つめ直し、目の前の状況に向き合い続けながら、新たな次元に到達することが求められます。しかし、こうしたプロセスは痛みを伴うため、人は往々にして過去の習慣に戻ることで痛みを避け、状況に対応しようとします。結果、必要な成長が生じないこととなるのです。
問題の原因・本質
リーダーシップ開発において重要なことは、今直面している課題がどういった種類の課題かを理解することです。特に、なかなか解決されない課題があるとしたら、その課題への捉え方を誤ったまま対応をしようとしている可能性が高いでしょう。
ハーバード・ケネディスクールで、30年以上に渡りリーダーシップに関して教鞭をとるロナルド・ハイフェッツ氏は、「技術的問題(Technical Problems)」と「適応課題(Adaptive Challenges)」という概念を提唱しています。技術的問題は、知識・技術・理論の有無によって行動を変えることで解決できるものであり、適応課題は、思考の枠組み・固定概念に取り組み、自分自身のものの見方が変わらなければ解決できない課題を指します。
将来の社長・経営幹部として活躍を期待される人はほぼ例外なく、自らの勝ちパターンを確立し、成功体験を積み重ねた結果としての今があります。それ故に、何らかの課題に直面した際に、知識・技術・理論をアップデートすることで、望ましい結果を得られると考える傾向にあります。一方で、直面しているのが適応課題の場合、求められることは自身の勝ちパターンの限界を認め、自分自身のものの見方を転換していくことなのです。
ソリューションの特徴・アプローチ
弊社ソリューションの特徴は、適応課題に直面している個人が、同時にどんなリーダーシップチャレンジに直面しているのかを理解しながらリーダーシップ開発を進め、結果的に適応課題が解決されている状態を実現することです。言い換えれば、個人のものの見方や深い前提が転換することで、目の前の課題は紐解かれることとなります。
またリーダーシップ開発においては、「トランジション理論」や「成人発達理論」を基づいたソリューションを提供します。トランジション理論は、ウィリアム・ブリッジズ氏が提唱し、人や物事の過渡期において「何かが終わる」「ニュートラルゾーン」「何かが始まる」という段階を経るという理論です。人が大きく変容するタイミングで起こることやその際の適切な支援について有益な示唆を与えてくれます。また、成人発達理論は成人の器・人間性の成長についての理論であり、各発達段階における強みや限界、またその移行期における支援について重要な視点を与えてくれます。
弊社では、成人発達理論において世界的に有名なロバート・キーガン氏らが設立した「Minds at Work」が提供する成人発達理論のプログラム修了経験等を活かしながらクライアント自身のリーダーシップ開発、発達支援を行います。